ロコモティブシンドロームとは

筋肉の衰え・関節の障害などによって、歩けなくなる一歩手前の状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」と言います。介護や寝たきりのリスクもあるロコモ、高齢になってから気を付ければ良い話ではありません。

エレベーターやクルマに頼りきりの便利な現代社会、足腰を使う機会は間違いなく減っています。全世代で意識することが必要です。

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階段があるのに、無意識にエスカレーターを選んでいませんか?

日本人は世界一座りすぎ!?

シドニー大学が行った「世界20か国における平日の総座位時間」の調査によると、日本はなんと1位=最長という結果に。1日7時間ほど座って過ごしていることになります。

対して20か国のうち最も短いポルトガルの座位時間は、たったの2.5時間。日本のデスクワーカーからすると、2.5時間しか座っていないなんて信じられないのでは。むしろ1日7時間、9時間だって現実的な数字ととらえてしまう “座りすぎ大国・ニッポン” という現状は、大きな課題と言えそうです。

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下半身の筋肉の重要性

カラダ全体の70%近くを占める下半身の筋肉。大きな筋肉が集まっていて、血液中の糖を筋肉に取り込む働きや、足まで降りてきた血液を心臓まで押し戻すポンプのような役割も担っています。

これらの筋肉を動かさないでいると、代謝・血流の悪化を招き、肥満や糖尿病、高血圧、動脈硬化が進み、ひいては心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な健康リスクにもつながります。

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体力は40歳から急下降!60歳で脚筋力は50%ダウン

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まだまだ若いと思える30歳から体力の下降は始まっています。働き盛りの40歳からは大幅にダウン。

特に人の基本動作どもいえる「歩行」を支える脚筋力は、なんと60歳では約半分に。加齢による衰えは自然の節理ですが、運動による意識的な脚筋力の維持・向上が重要であることがわかります。

冒頭に紹介した、歩行が困難になるロコモティブシンドロームも、筋肉の衰えが原因のひとつ。ロコモ対策は、若いうちから意識して脚筋力を鍛えておくことがとても重要。そこで今回は、自転車通勤の副産物とも言える “自転車がもたらす脚筋力向上の効果” についてご紹介しましょう。

歩きを支える”腸腰筋”を鍛えて老けないカラダへ

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腸腰筋とは

大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つからなる腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。
大腰筋と小腰筋は腰の脊柱下の方から、骨盤や股関節の内側付近につながっています。大腰筋がメインで活動していて、小腰筋はそのサポートをしている筋肉です。
腸骨筋は骨盤の上付近から太ももの内側へとつながっています。これらはいわゆるインナーマッスルで、手で触れることはできません。体を傾けたり、S字状に維持したり、立ち姿勢を保つために重力に逆らって力を発揮できる筋肉です。

足を引き上げる、踏み出すという動作。腸腰筋が加齢と共に衰えてくると、この歩行の基本動作ができなくなっていきます。「なんでこんなところでつまずいたんだろう?」というようなことが頻繁に起こったら、それは腸腰筋の衰えが原因かもしれません。

脚全体の筋肉を使う自転車。腸腰筋には「引き足」がポイント

自転車はランニングやジョギングに比べて、足腰への負担が少ないことが特徴。さらに、太ももからふくらはぎまで脚の筋肉全体の筋トレになります。

普段は左右の脚を交互に「踏み下ろす」感覚で漕いでいると思いますが、ペダリング中に最も腸腰筋を動かすタイミングは、実は引き足時。いつものペダリングに「引き上げる」意識をプラス。

足がペダルに固定されていないと実際の引き上げはできませんが、「引き上げる感覚を意識して」足を回すことが大切。太ももを高く上げることを意識しながらペダルを回すことも有効です。

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ビンディングシューズのようにペダルと固定されていなくても、足を引き上げる感覚を意識するだけで筋トレ効果があります。

ほかにもある?自転車で鍛えられる筋肉

自転車に乗ることで鍛えられる筋肉は腸腰筋だけではありません。それぞれ詳しく見ていきましょう。

4つの部分からなる「大腿四頭筋」

自転車に乗ることで鍛えられる代表格の筋肉です。大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋の4つが集まっている、太ももの表側の部分。立ったり座ったりするときにも使われている身近な筋肉です。

衰えてくると膝を痛めやすくなるので、トレーニングは欠かせません。この筋肉を鍛えることで、新陳代謝のアップにもつながります。

太もも裏の筋肉「ハムストリングス」

大腿四頭筋と対をなすように、太もも裏の筋肉であるハムストリングスは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋に3つから形成されています。

大腿四頭筋と連携するように働いているので、双方をバランス良く鍛えることが大切です。

第2の心臓「下腿三頭筋」

足先など、体の末端になってくると心臓からの血液が届きにくくなります。下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)は心臓のポンプのような役割で、下半身に上手く循環しない血液を送り出す役割も持っています。これが第2の心臓といわれる理由です。 自転車のペタリングは、下腿三頭筋の筋トレにも役立ちます。

自転車で脚を鍛える3ステップ「坂道はラッキー」

有酸素運動と言われるサイクリングでも、負荷を調整することで筋力アップが望めます。まずはシティサイクルでも取り入れられる簡単なステップから始めて、徐々にトレーニング強度をあげていきましょう。ねらった筋肉のトレーニングもできますよ。

Step1:サドルの高さをあげる

腸腰筋のほかに、自転車で鍛えられる筋肉にはさまざまなものがありました。脚全体を大きく動かす自転車は、お尻から太ももなど下半身の筋肉に働きかける特性があるので効果的な筋トレを行うことができます。

なかでもサドルの高さによって使う筋肉が変化する点に着目してみます。


サドル 高さ 脚 筋トレ 関係

グラフを見ると、高いサドルのとき、お尻(大臀筋)の活動値がグッと上がっていることがわかります。お尻をキュッと引き締める、太もも前と後ろをしっかり鍛えるにはサドルを高めに設定する方が効果的だと言えます。

Step2:1日30分、週3回を目安に自転車に乗る

実際に自転車運動によって得られた筋力測定の結果を見てみましょう。大学生8名に、以下の条件で自転車に乗ってもらった結果です。

・期間:7週間
・頻度:1日30分/週3回
・運動前と運動後の太ももの筋力を測定

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膝を伸ばす力を発揮する太もも前側の筋力は9~17%アップ、膝を曲げる力を発揮する太もも後ろ側の筋力は約8%のアップとなっています。

1ヵ月半ほどの手軽な自転車習慣で、太ももの筋力が鍛えられたことが明らかに。

Step3:坂道を活用する

有酸素運動と言われる自転車でも、乗り方によって筋トレの効果を期待することも可能です。

そのためにはやはり「筋トレにふさわしいキツさ」が重要に。

キツさの目安は、ずっとこぎ続けていられない程度。負荷を得るのに一番シンプルな方法が坂道です。

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意外とアップダウンが多い都心

短時間でもキツい時間をつくることで、有酸素運動と筋トレの一石二鳥の自転車運動が可能になります。10秒でも20秒でも、坂道を積極的に活用するとよいでしょう。筋トレの意識を持つと、「ゲッ、坂だ……」から「よし、坂だ!」に変わってくるはずです。

また変速によって負荷をコントロールできるのも自転車のメリット。あえて重いギアを使い、意識して負荷をかけるのも有効です。「キツイ」と感じるレベルの運動をしっかり取り入れることが重要です。

自転車通勤で「いつのまにか脚筋力アップ」

いくつになっても自分の脚で行きたい所に行ける。人生の質を大きく左右する「歩ける身体」。

自転車通勤で若いうちから運動習慣を身に付けることは、長い人生で大きな財産となるはずです。生涯を通じて活きる「脚筋力」をしっかりとつけておきましょう。