自転車通勤をはじめることは、決して難しいことではありません。
次の4つのポイントをチェックして、さっそく「通勤サイクリング」をはじめてみましょう。
自転車通勤をスタートするにあたって最も大切なことは、どのくらいの距離を自転車で通勤するのかということです。
あまりに距離がありすぎては、マインドスイッチどころか仕事にならない状態になることも考えられます。自転車通勤をはじめるためにも、自宅から会社までか、または、駅までにするのか、通勤のどの部分を自転車にするのかを決めて、ある程度の距離を把握しておきましょう。
では、どれくらいの距離が自転車通勤に適しているのでしょうか?
目安は15kmぐらいになります。
街並みを眺めたり、途中で公園やカフェに立ち寄るなど、よりマインドスイッチを高めるためにも無理のない距離であることが重要になります。
日々、ON/OFFのスイッチを切り替えられることが理想ですが、距離が長い方は最寄りの駅までにする、片道だけ自転車を使うなどの工夫をしてみましょう。
難易度 | 走行距離 | 所要時間 | アドバイス |
---|---|---|---|
EASY | 5km | 15~20分 | これからはじめる方には最適な距離です。街並みを楽しみながら走ることで、さらにマインドスイッチが効率よく行えます。バスで自宅から駅まで通っているという方は、バスを自転車に置き換えるとちょうどこれくらいの距離になるのではないでしょうか? |
NORMAL | 10km | 30~40分 | これくらいの距離になるとクロスバイクなどのスポーツバイクがおススメです。自宅から会社まででこれくらいの距離が見込めるなら、「ラッキーかも?」と 考えて、チャレンジしてみましょう。 |
NORMAL | 15km | 45~60分 | 本格的な距離になってきて、軽快車では難しいくらいになってきます。 慣れないうちは、時間に余裕をもって出発されることをおススメします。 |
HARD | 20km | 60~80分 | 慣れない方にはかなりアグレッシブな距離になります。疲れがたまっては元も子もありませんので、週に1〜2回からはじめるなど、工夫してみましょう。 クロスバイクなどのスポーツバイクを利用することをおススメします。 |
HARD | 25km | 75~100分 | マインドスイッチには少し距離が長すぎます。たとえ時間と距離が短くなっても、駅までの自転車通勤にするなど工夫してみましょう。長距離は週末のサイクリングで楽しみましょう。 |
走行距離 | 所要時間 | 難易度 |
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5km | 15~20分 | EASY |
アドバイス これからはじめる方には最適な距離です。街並みを楽しみながら走ることで、さらにマインドスイッチが効率よく行えます。バスで自宅から駅まで通っているという方は、バスを自転車に置き換えるとちょうどこれくらいの距離になるのではないでしょうか? |
走行距離 | 所要時間 | 難易度 |
---|---|---|
10km | 30~40分 | NORMAL |
アドバイス これくらいの距離になるとクロスバイクなどのスポーツバイクがおススメです。自宅から会社まででこれくらいの距離が見込めるなら、「ラッキーかも?」と 考えて、チャレンジしてみましょう。 |
走行距離 | 所要時間 | 難易度 |
---|---|---|
15km | 45~60分 | NORMAL |
アドバイス 本格的な距離になってきて、軽快車では難しいくらいになってきます。 慣れないうちは、時間に余裕をもって出発されることをおススメします。 |
走行距離 | 所要時間 | 難易度 |
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20km | 60~80分 | HARD |
アドバイス 慣れない方にはかなりアグレッシブな距離になります。疲れがたまっては元も子もありませんので、週に1〜2回からはじめるなど、工夫してみましょう。 クロスバイクなどのスポーツバイクを利用することをおススメします。 |
走行距離 | 所要時間 | 難易度 |
---|---|---|
25km | 75~100分 | HARD |
アドバイス マインドスイッチには少し距離が長すぎます。たとえ時間と距離が短くなっても、駅までの自転車通勤にするなど工夫してみましょう。長距離は週末のサイクリングで楽しみましょう。 |
自転車通勤は、自転車さえあればすぐにはじめることはできます。しかし、その前に確認しておくことで、スムーズにはじめられることも多いのです。そのひとつが、自転車を置くスペースがあるかどうかということです。
自転車なんてどこでも置くことができると思っている方も多いのではないでしょうか? しかし、都会であればあるほど、駐輪スペースが無い会社も結構あるようです。
まずは、会社に駐輪スペースがあるのか? ある場合は、運用ルールなどを会社に確認してみましょう。
もし、駐輪スペースが無い場合でも、公的な駐輪スペースや有料になりますが、しっかりと屋内で自転車を管理してくれる施設もありますので、会社の周りでチェックしてみることもおススメします。
自転車通勤に適した自転車は、どんなタイプの自転車でしょうか?
「はやりのロードバイクに乗ってみたいけど、通勤に適しているのかな?」「どんな自転車がよいのか分からない」「今持っているシティサイクルからはじめてみたいな」など、みなさんそれぞれの思いがあるはずです。
自転車通勤にはどんなタイプの自転車が適しているのでしょうか。通勤距離と荷物の観点から見ていきましょう。
シティサイクル(軽快車)
自転車の中で最も一般的なタイプの自転車です。日常的に使うことができる自転車で、前カゴやスタンドも初めから装備されており、その乗りやすさから「軽快車」と呼ばれることもあります。
クロスバイク
クロスバイクは、ロードバイクとマウンテンバイクの中間的な自転車です。シティユースはもちろんのこと、ツーリングで長い距離を走ったり、日常のちょっとした足として使う方も多く、幅広い用途で人気がある自転車です。
ロードバイク
ロードバイクは、舗装路での高速走行を目的に設計された自転車です。ロードレーサーと呼ばれることもあり、ツール・ド・フランスなどの自転車ロードレースでも用いられる競技用の自転車です。
シティサイクル(軽快車)、クロスバイク、ロードバイクなど自転車の種類を問わず、 前後のライトとベルの取り付けは交通安全確保のため、忘れずに取り付けましょう。
5㎞までであれば、色々な交通手段のなかで自転車が一番早いといわれています(*1)。
これくらいの短い距離から自転車通勤をはじめてみようとお考えの方は、わざわざスポーツウェアなどに着替えたりせずに、そのままの格好で仕事に就きたいという方も多いはずです。そこで手軽にはじめることができるのがシティサイクル(軽快車)。
「いきなりスポーツバイクを買うのはちょっと…」という方は、日ごろ使っているシティサイクルの活用を考えてみましょう。
※1. 出典:第1回新たな自転車利用環境のあり方を考える懇談会
資料3「自転車利用環境をとりまく話題」(国土交通省)
これくらいの距離になると道のアップダウンの場面も増えるので、シティサイクルだと少しツライ時もあるかもしれません。ある程度の軽さと快適性を持ち合わせた自転車が、毎日の通勤を考えるとよくなってきます。
クロスバイクは、ロードバイクと比較して、前傾姿勢が緩い一方、車輪の大きさはロードバイクと同程度なので、走破性と快適性を備えています。
また、10kmまでならシティサイクルも選択肢のひとつ。
サドル高とタイヤ空気圧をしっかりチェックすれば、快適な通勤が可能になります。
この距離になってくるとロードバイクも選択肢にあがってきます。同じロードバイクでもレース志向ではなく、ツーリングに適した前傾姿勢の少し緩い自転車もあります。タイヤの幅も広く、乗り心地がよいだけでなく、ディスクブレーキが搭載されているものもあり、急な雨でも安心です。
さらに、通勤サイクリングだけではなく、休日を使った本格的な遠乗りも楽しむこともできます。
いつものシティサイクルでは、通勤サイクリングの爽快感がないのでは?と思われる方もいらっしゃるはず。でも、そんなことはありません!! 今一度、自分の自転車を確かめてみましょう。
ここのところ自転車のメンテナンスができずにタイヤもぺしゃんこ、という方も多いのでは? 普段メンテナンスができていないのであれば、タイヤにしっかり空気を入れ、チェーンに油を注すだけでも驚くほどスムーズに走ることができるようになります。
さらに、かかとが地面にべったり着く高さにサドルを合わせているのであれば、つま先立ちができる程度までサドルを上げるだけで、脚全体の筋肉を効率よく使うことができ、心地よくペダルを回すことができるようになります。また、シティサイクルなら前カゴもしっかりついているので、いつものカバンでOK。
お持ちのシティサイクルで短い距離の自転車通勤に挑戦される方は、ぜひ自転車のメンテナンスとサドルの高さ調整を意識してみてください。
高いサドルに不安がある方は無理をしないでください。
いざ自転車通勤をはじめよう!という気持ちになっても、どんな道を通ればよいのか、悩む方も多いはずです。
通勤サイクリングによって、メンタルのコンディショニングを!と張り切っても、安全に、安心して走ることができなければ、マインドスイッチどころではありませんね。
安全に且つ快適に通勤サイクリングを実践するためのルート選びの考え方について、次の3つのポイントを見てみましょう。みなさんもこのポイントをヒントに、しっかり安全なルート選びを行いましょう。
どんな道が自転車に適した道なのでしょうか?
例えば、脇道から人や車が飛び出してくることの少ないサイクリングロードは、当然気持ちよく走ることができます。川沿いにはサイクリングロードがあることが多く、特におススメです。さらに、川沿いであればサイクリングロードが無い場合でも堤防を走ることができる場合がありますので、選択できる方は活用を検討しましょう。
交通量が多い幹線道路でも、道幅が広ければ自転車の走る安全なスペースをとることができます。
幹線道路は、交通量が多くても横から急に飛び出してくる自動車やバイクはほとんどありませんので、想像されるよりも快適に走れるはずです。
海岸や川沿い、周囲に高い建物がなく視界が広がる道などは、自転車ならではの爽快感が楽しめます。通い慣れた道でも、少し目線を上げるだけで、違った景色に気付いたり、普段、電車通勤をされている方であれば、きっと知らなかった景色にも出会えるはずです。 さあ、何気ない景色の中に小さな気づきを探してみましょう。 普段クルマで走っていると気づかない道もあるはずですので、ぜひチェックしてみてください。
以上のような自転車に適した道や幅の広い道、景色のよい道が、会社までの最短ルート上にあるとは限りません。
少し遠回りになったとしても、車通りが少なく、安全に通勤サイクリングができるルートを走る方が、
結果的に継続できたり、体や心(メンタル)にも効果をもたらすはずです。
しかし、あまりに遠回りをして“安全に走れる経路”という考え方から離れてしてしまうと会社の通勤規定などに反する場合もあるので、
充分気を付けましょう。
安全、快適に走行できる範囲でマインドスイッチできるルートを見つけてみてください。