もはや国民病!?日本国民の5~6人に1人は糖尿病の可能性という試算も

糖尿病は、予備群を含めると2,000万人を超え、日本国民の5~6人に1人は糖尿病の可能性があると試算されています。もはや国民病ともいえる糖尿病ですが、その対策に自転車通勤はどう働くのか。糖尿病と自転車の関係性をチェックしてみましょう。

年々増加する「糖尿病の疑いがある人」

糖尿病 予備軍 グラフ

最初のグラフAが「糖尿病が強く疑われている人」、次のグラフBが「糖尿病の可能性を否定できない人」です。AとBの合計をみると、2007年から2012年にかけて減少傾向にあるものの、日本で糖尿病が疑われる人は2,000万人を超えている状況です。

糖尿病とは

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)がうまくコントロールできず、血液中に糖分の多い状態が長く続く疾患です。糖濃度の高い血液が血管の内側を傷つけることで動脈硬化を促し、心筋梗塞、脳卒中などの大血管障害、あるいは小血管障害による失明や腎症を引き起こしやすいとも考えられています。

糖尿病は自覚症状が少ない

「血液検査値の血糖値が基準値ギリギリ…」「食後はほとんど動かない」「デスクワークで運動習慣もなく、最近ちょっと太ってきた」そういった場合は知らず知らずに糖尿病予備軍になっているおそれが。

デスクワーク 甘いもの 血糖値

デスクワークで座りっぱなし。ついつい甘いものに手が伸びて、気付けばずっと食べている…。運動する時間もとれず、おまけにストレスもたまりがち。そんなビジネスパーソンは要注意。

自覚症状が少ない糖尿病は気付きにくく、そのまま進行してしまうケースも少なくありません。食生活やカラダの変化をそのままにしておくと、手遅れになってしまう可能性もあるのです。

健康なうちに、予備軍のうちに。糖尿病にならないカラダづくりを

糖尿病は一度かかってしまうと完治が難しいと言われている疾患です。健康なうちに、予備軍でとどまっているうちに、「糖尿病にならないカラダ」をつくることがとても重要。

命に関わる恐れもある疾患にかからないようにするためには、まずは糖尿病に密接に関わる普段の生活習慣を見直すことが第一のステップです。

バランス 食生活 食事 生活習慣 規則正しい

まずはバランスのよい食事・十分な睡眠・ストレスのない生活を心がけて

忙しく働いた後、自分へのご褒美といって、ついつい脂っこいものや甘いモノに偏りがちな食生活。だけど運動に費やす時間もなく、寝不足。ストレスもたまりがちといった生活習慣は、糖尿病を引き起こしやすい要因だと言われています。まずはこういった生活習慣をきちんと見直すことから始めましょう。

食事は野菜や魚を中心にしたバランスよい献立で、睡眠時間は意識して確保するように。たまってしまったストレスは好きなことで発散する。傾きがちな日々のコンディションを意識して立て直すことが大切です。

和定食は理想的な献立と言われます
和定食は理想的な献立と言われます

忙しいビジネスパーソンにこそおすすめ!「運動不足」と「ストレス」に効く自転車通勤

わかっていてもなかなか実践が難しい、運動不足とストレスの解消。忙しい働く世代にこそおすすめしたいのが自転車通勤です。

移動を兼ねる自転車通勤なら、時間を有効に使いながらしっかり運動することができます。風を切る爽快感で、朝から頭もカラダもリフレッシュ。仕事効率がアップするというデータも。

自転車通勤 ヘルメット おすすめ 選び方 必要 不要

こんなにある自転車通勤のメリット!

自転車通勤で、気分はどう変わる?

自転車はウォーキングより血糖値を下げる?上手に糖尿病対策

運動不足やストレス解消に有効な自転車通勤。実は糖尿病に深くかかわる血中の糖分への働きかけでも嬉しい一面が。

血中の糖分を燃やしやすい自転車運動

血中の糖分がどれだけエネルギー源として使われているかを、自転車運動とウォーキングで比較してみましょう。
「血中乳酸」と「呼吸商」の値で比較します。

血中乳酸濃度とは?

運動強度が高まると血中の乳酸濃度が上昇し、脂肪とともに糖質が燃焼しはじめます。
乳酸は運動の負荷によって生成量が変化するため、運動強度の指標とされています。

☑呼吸商とは?

運動中の二酸化炭素排出量と酸素摂取量の比で、1.0に近いほど糖質が主に使われており、0.7に近いほど脂質が主に使われていることを表しています。

%HRRとは?

% 心拍予備(HeartRateReserve)のことで、ある運動時の心拍数が、その人にとってどれくらいの強さかを相対的に表した指標です。

血中乳酸濃度(右側のグラフ)は、数値が高いほど糖分をエネルギー源として利用した量が多いというこいと。呼吸商(左側のグラフ)は、数値が1.0に近いほど糖分をエネルギー源として使った割合が高いことを表しています。

どちらもウォーキングより自転車のほうが高い結果が出ていることがわかります。

さらに血糖値を運動前後で比較したデータを見てみましょう。

運動後の血糖値低下の値は、ウォーキングより自転車が4・4㎎/㎗上回るという結果に。自転車運動の方がより血糖値を下げる働きがあると言えます。

このように自転車なら血中の糖分を燃やしやすく、習慣的な自転車運動で上手に糖尿病対策ができるのです。

継続できることが大きなポイント。通勤を自転車にかえて上手に糖尿病対策を

始めやすく続けやすい自転車通勤は、運動不足やストレス解消に加えて、血中の糖分の燃焼にもプラスに働きます。

健康診断で生活習慣の改善を奨められた、不規則な生活で体重増加が気になる、糖尿病も他人事ではないのかも……今こそ自転車通勤で糖尿病にならないカラダづくりを始めてみませんか。