自転車通勤時の服装は何がベスト?

「運動不足を解消するため」「満員電車の不快感を避けるため」このような理由で、ロードバイクやクロスバイクでの通勤を選ぶ人が増えてきています。しかし、夏場の自転車通勤は汗だくになってしまうことも。

そこで今回は、快適に自転車通勤するためのウェアの選び方やや自転車の乗り方、素早いクールダウン方法をご紹介します。夏を上手に乗り切りましょう!

ウェアを工夫し、快適な自転車ライフを

まずは基本中の基本、ウェアから見直してみましょう。夏服と冬服を衣替えするように、サイクルウェアも夏と冬で季節別に替えるのがベストです。

夏のウェアに必要な機能とは?

夏の自転車通勤の問題点は、強い日差しと汗の不快感です。それらを防ぐために、汗でべたべたになるのを防ぐ「吸収速乾機能」とUVカット機能のある「紫外線防止機能」の2つが備わっている衣服を選びましょう。

さらに、着用すると冷たく感じる「冷感・クール」や「抗菌防臭機能」のあるウェアだと、より快適な着心地です。予算に余裕があれば、これらすべての機能が備わっているものも検討してみましょう。

スーツはストレッチ素材がおすすめ!

普通のスーツは通気性が悪いため、ワイシャツやアンダーウェアの通気性が良くても、自転車に乗っている間に汗だくになってしまいます。しかも、そのまま仕事を始めてしまうと自分が汗で不快なだけでなく、周囲に汗臭いにおいを撒き散らしてしまい、何より清潔な状態ではありません。

そのため、ストレッチの効いたスーツを選ぶことがおすすめです。吸収速乾機能があるものだと、汗をかいた後でも安心です。

アンダーウェアも汗対策を!

アンダーウェアは、身体にぴったりフィットするものの方が通気性や吸収速乾機能を十分に発揮できます。「DRY・速乾・吸汗」などと記載されている吸収速乾機能のあるアンダーウェアを選ぶことで、汗をかいても被害は最小限に抑えられるでしょう。

ヘルメットの通気性も確認

ヘルメットは、通気性の良いものを選びましょう。夏は、汗を吸収してくれるサイクルキャップを付けてからヘルメットをかぶると、より快適で涼しくなります。冬はヘルメットの下に暖かい防寒キャップをかぶればOKです。

汗をかかないための「省エネ」な乗り方とは?

次は、実際に自転車に乗っているときに工夫できる「汗をかかない」ポイントをご紹介します。

ペダリングは最小限に

力任せにペダリングをすると、それだけで体温が上がってしまいます。重いギアで力を入れて漕がずに、軽いギアでクルクルと軽快にペダリングをしましょう。下り坂では、重力に任せてペダルを止めるのもポイントです。急がずのんびりペダリングしていても、間に合うような時間に家を出るという工夫も大切です。

出勤時間を早めに

出勤時間を早めにすると、まだ太陽が昇りきっていないので涼しい時間帯に走れます。反対に、通勤ラッシュの7〜8時頃は太陽が昇ってきているので、日差しで既に暑くなっています。太陽が昇って気温が上がり始める前に、会社の近くに着いておけると良いでしょう。自転車通勤でスッキリとした頭で、周りの同僚が着く前に一仕事終わらせることにもつながります。

水分補給は「喉が渇く前」に

「汗をかかないために水分を摂らない」というのは、脱水症状を招くので絶対にやってはいけません。喉が渇いたときには既に水分不足のため、早めの水分補給が重要です。出発する前に水分をしっかり摂っておき、こまめに水分補給をしましょう。

汗で出てしまう電解質も補えるスポーツドリンクが理想ですが、真水でもOKです。

通勤ルートを見直してみる

アプリやWebの「マップ」でルートを検索してみると、基本的に最短ルートが出てきます。しかし、最短ルートが自転車で一番楽なルートとは限りません。アップダウンが激しい坂道よりも、若干遠回りになっても平坦な道の方が汗はかかないのです。

これをマップで検索するのは非常に難しいので、実際にいくつかのルートを走ってみて、影が多く比較的平坦なルートを探してみましょう。

会社に着いたら即クールダウン!

夏の自転車通勤後、会社でクールダウンしましょう。

会社に着いたら、すぐにクールダウンをしましょう。身体に熱がこもったままだと、いつまでも汗がだらだら出続けてしまいます。

冷やすべき場所は「首・脇の下、太ももの付け根」

首・脇の下だけでなく、手首や足首といった「首」と名前のつく場所は太い血管が通っているので、真っ先に冷やしましょう。その他、太もものつけ根・ひざの裏・ひじの内側なども血管が皮膚に近いので、冷やしておくことで、より早くクールダウンできます。

凍った保冷剤を水で濡らして冷やすのがおすすめですが、冷えすぎる場合は水に濡らしたタオルなどを巻いて調節しましょう。水で濡らした方が肌にぴったり密着するので、体温を下げやすいです。保冷剤を用意できない方は、缶ジュースや冷凍された飲み物が入っているペットボトルで代用しても良いですね。

汗をかいた服は濡らさず乾かす

汗をかいた服は、すぐに洗濯できない場合は水洗いせず、そのまま風通しのよい場所に干して乾かしましょう。乾燥させると雑菌が繁殖しにくいので、洗わなくても帰りまで程度であれば、意外とにおいません。

反対に、濡れたままビニール袋などに入れっぱなしにしてしまうことはNGです。雑菌が繁殖してにおいがキツくなり、カビが生えてしまうこともあります。

しばらく出続ける汗を抑えよう

着替えるときは制汗スプレーや制汗シートなどのデオドラント製品を使い、それでも出てくる汗対策にはタオルを背中に入れておくと良いでしょう。汗が落ち着いたら取り出せば、ワイシャツを濡らすことなく快適に過ごせます。

デスクにUSBタイプの小型扇風機などを置けるようなら、しばらく風にあたっていられるとさらに快適です。

シャワーを浴びて着替えられると理想的

時間や立地が合えば、シャワーを浴びてスッキリしてから着替えられるのが一番理想的です。

職場か近くでシャワーを浴びられるのが理想

職場でシャワーを浴びられるのが理想ですが、なかなかそのような会社はありません。しかし、都心部などでは、自転車通勤する人のためのシャワーつきのサービススポットやスポーツジム、ネットカフェのシャワーなども利用できます。いずれも料金がかかるので、予算との兼ね合いをよく検討し、利用するのがおすすめです。

着替えのストックをいくつか置いておくとよい

会社のロッカーにワイシャツやアンダーウェアの替えを置いておくと、万が一忘れたときにも安心です。特にアンダーウェアはかさばらないので、帰り用に入れておくのがおすすめです。しかし、最初からそれを当てにしていると、連続で忘れたときに困ってしまいます。基本的には着替えを忘れず持っていきましょう。

まとめ

夏場の自転車通勤は暑くて辛いと思い込んでしまいがちですが、服装や乗り方、クールダウン方法を工夫すればぐっと快適に通勤中のサイクリングを楽しめます。ぜひ、自転車通勤で運動不足を解消しましょう。