メタル vs レジン:ディスクブレーキパッドをどう選ぶ?

2020/06/10

急でテクニカルなトレイルの下りで、あるいはプロトンで通過するつづら折りの山道で、ブレーキは重要な役割を担っています。
しかし、ロード、MTB、グラベルやシクロクロス、カテゴリーを問わず多くのサイクリストはブレーキパッドにはそれほど注意を払っていません。
「ちゃんと効いてくれれば良い」という程度の認識ではないでしょうか。
幸いなことにほとんどの場合においてその性能・機能に不満を抱くことは無いのかもしれません。
しかし、いつ・どこで・どのような走り方をするのか、それに合わせてどのタイプのディスクブレーキパッド ーメタルパッドかレジンパッドかー を選ぶかによってあなたのライディングには大きな違いが現れるかも知れません。
 

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メタルパッドとレジンパッドにはどのような違いがあるのか、それぞれの特性や長所は何か、どのような観点から最適なパッドを選べば良いのかについて以下で説明します。

 

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メタル vs レジン

 

レジンパッドは時にオーガニックパッドやセミメタリックパッドと記されることもありますが、樹脂で固められた複合繊維からできています。
金属と比較して柔らかい素材となり、一般的にブレーキング時の音鳴りがしにくくなります。

 

メタルパッドはメタリックパッドあるいは焼結パッドとも呼ばれ、名前から想像できるように金属の粒子を融合させて作られます。
メタルパッドはほとんどの自動車やオートバイに使われており、多様なコンディション下で安定した高いパフォーマンスを発揮することから、自転車メーカーの完成車にも標準で採用されることの多いパッドです。

 

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環境や天候を考慮する

 

バイクの種類やライディングスタイルに関わらず、メタルパッドを選ぶべき理由は天候ひいてはウェットコンディションの頻度によって決まるとも言えます。
雨天が多い地域に住んでいるのであればメタルパッドを選択するのが良いでしょう。
特にウェットコンディションにおいてはレジンパッドに比べて摩耗が大幅に少なく、結果的にブレーキパッドを交換する頻度を減らすことができます。

 

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ノイズの低減

 

多くのサイクリストが抱く不満のひとつとしてバイクからのノイズが挙げられます。ディスクブレーキパッドは熱や湿度、塵など色々な要因により「キーッ」という甲高いノイズを生じることがあります。
メタルパッドはレジンパッドに比べこうしたノイズが発生しやすい傾向にあります。

 

例えば乾いた気候で砂埃の多いマウンテンバイクトレイルにおいては、レジンパッドを選択することでノイズを減らすことができ、周りのライダーに不快な思いをさせることも少なくなるでしょう。

 

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ブレーキの効きとモジュレーション性能

 

メタルパッドとレジンパッドの間にはブレーキの効き方やモジュレーション特性において微妙な違いが見られます。
オンオフのはっきりしたカチッとしたブレーキフィールを持つメタルパッドを好むライダーもいれば、レバーの引き量によって効きをコントロールしやすいレジンパッドを好むライダーもいます。

 

路面状況やライディングスタイルによってどちらのパッドが適しているかを計ることもできます。
例えば滑りやすいグラベルでホイールをロックさせたくないような状況においては効きがマイルドでコントロールしやすいレジンパッドが良いかもしれません。
反対にスムーズな舗装路でグリップに不安の無い状況では、パッドの摩耗が少ないことも相まってメタルパッドの方が適しているでしょう。

 

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ブレーキングパワーと熱によるフェード現象

 

純粋なブレーキングパワーと熱によるフェード防止という点ではメタルパッドが有利になります。
例えばタフで急な下り坂を攻めるマウンテンバイクエンデューロレース用、重量のあるE-BIKE用等にはメタルパッドを選択することで熱による効きの低下を防ぐことができます。

 

シマノアイステクノロジーパッドはフィンの導入で放熱性能を高め、熱によるブレーキ性能の低下を防ぎます。
メタルパッド、レジンパッド共にアルミとステンレススチールを組み合わせた構造を持ち、高い放熱性能によりフェードやノイズの低減、結果的にパッドの長寿命化にも貢献しています。

 

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最後に

 

参考までにですがー
プロレースの世界では2種類のパッドをミックスして使うこともあります。
有名なSanta Cruz Syndicate MTBダウンヒルチームではメタルパッドを内側に、レジンパッドを外側に配したセットアップにすることで、それぞれの長所を活かすよう工夫しています。

 

最適なパッドを選ぶことはあなたのライディングに大きな違いをもたらします。
メタルパッドとレジンパッド、両方のパッドを用意して状況に応じて交換してみるのも良いでしょう。

 

最後に、新しいパッドに交換した際は乗車前に慣らし走行を行ってください。
慣らし走行の一般的な方法として、低速からの強いブレーキングを10回繰り返すことをお勧めします。
これによりディスクブレーキパッド本来の性能を安定して発揮できるようになります。