快適なライディングを楽しむには適切に組み立て・調整されたバイクが必要です。
今回はシマノノースアメリカのテックサービス Sam Elenes に、簡単なメンテナンスやパーツ交換といった作業に必要となるツールについて尋ねます。
「これだけ?と思われるかも知れませんが、」 Elenesはこう話します。
「でも、これらのツールを揃えておけば基本的なメンテナンス作業、部品の組み付けや取外しが行えますし、バイクを正しいコンディションに保つことができます」
(注:部品の取り付けや調整については各製品に付属している取扱説明書をよくお読みください。記載されている内容に不明な点がある場合はご自身で作業せず購入された販売店へご相談ください)
基本的なメンテナンスに必要なツール
- PRO アーレンキーセット (商品コード:R20RTL0037X)
- PRO Yレンチ 4/5/6mm (商品コード:R207100349X)
- PRO Yレンチ 2/2.5/3mm (商品コード:R207100352X)
- PRO Yレンチ ヘキサロビューラ T25/T30/T40 (商品コード:R207100350X)
- PRO チームチェーンウィップ (商品コード:R20RTL0084X)
- PRO チームロックリングツール (商品コード:R20RTL0085X)
- PRO チームチェーンツール (商品コード:R20RTL0086X)
- PRO ケーブルカッター (商品コード:R20RTL0050X)
- SHIMANO TL-BT03S ディスクブレーキブリーディングキット (商品コード:Y8H498090)
- トルクレンチ
アーレンキー(六角レンチ)とヘキサロビューラ(トルクスレンチ)
ボトルケージの取り付けやブレーキキャリパーの調整、ハンドルバーの交換といった幅広い用途に必要となるのがアーレンキーおよびヘキサロビューラです。
最もよく使うベーシックなPROアーレンキーセット(2/2.5/3/4/5/6/8/10mm)に加え、握りやすいグリップを備え作業のしやすいPRO Yレンチ(4/5/6mm & 2/2.5/3mm)を併用することをEleneは薦めます。
PRO Yレンチにはバイクによく使われるサイズのヘキサロビューラ(T25/T30/T40)タイプも用意されているので、これらを用意することで大抵の作業に対応することができます。
ドライブトレイン用ツール
続いてEleneが挙げるのが、カセットスプロケットやチェーンの交換に必要な3つのツールです。
スムーズなペダリングやシフティングを維持するためには消耗品であるカセットスプロケットやチェーンの定期的な交換が欠かせません。
シーズンに入る前にこれらの部品を交換しておくのも良いでしょう。
カセットスプロケットを交換する際にEleneが使用するのが、PROチームチェーンウィップとPROチームロックリングツールです。 この2つのツールを組み合わせることでスピーディに効率良く交換作業を行うことができます。
また、PROチームロックリングツールはCENTER LOCKシステム採用のディスクブレーキローターの交換時にも使うことが可能です(一部モデルを除く)。
チェーン交換作業にはPROチームチェーンツールが活躍します。
8~12スピードまでのチェーンに対応するので、これ一つあれば様々なバイクに使用することができます。
その他必要なツール
確実でスムーズなシフティングやブレーキングを維持するにはインナーケーブルやアウターケーシングの定期的な交換が必須です。
PROケーブルカッターを使うことでケーブル類を精確にカットでき、作業の効率化および部品本来の性能を発揮させることに繋がります。
ディスクブレーキブリーディングキットは、じょうごやオイルストッパー、チューブ、注射器等がセットになっておりハイドローリックディスクブレーキのオイル交換を行うことができます。
「ブレーキのオイル交換は確かに上級者やプロメカニック向けの作業になるかも知れません」とEleneは言います。
「しかし、シマノのディスクブレーキシステムはシンプルで効率の良いブリーディングが行えるよう設計されており、適切なツールを使用することで確実でスピーディな作業を行うことができます」
その他に重要なツールとしてはトルクレンチが挙げられます。
取扱説明書や部品本体の刻印を確認し、それぞれの部品、部位に応じた適切な締付トルクを守るようにしてください。
それによって固定力不足による部品のズレや、オーバートルクによるカーボン素材の破損といったトラブルを防ぐことができます。
正しいツールを使いバイクをメンテナンスすることは非常に大切なことです。
それはあなたのバイクをより深く正しく知ることにも繋がります。
「ただ、これも覚えておいてください」Elenesは続けます。
「もし自分ではよくわからない箇所があるなら、その際は自身では作業せず近くのバイクディーラーを訪ねてください。 そのためにプロメカニックがいるのですから」