真冬の自転車通勤、漕ぎ始めは冷たい風をダイレクトに受けてどうしても寒い!ただ10分もすれば体の内側から温まってくるから、自転車の運動効果は侮れません。最初の冷気を緩和してくれるアイテムに、体温調節しやすいウェアがあれば、この冬も通勤サイクリングが続けられますよ!

自転車×防寒の基本は「レイヤリング」

暖かいアウターの代表選手、ダウンジャケット!
自転車通勤でも使える?

ご近所への買い物であれば、寒い冬の自転車は暖かいダウンやコートが重宝しますね。ですが15分以上しっかりペダルを漕ぐ自転車通勤では、防寒スタイルに工夫が必要です。暖かいアウター1枚での防寒ではなく、レイヤリング(重ね着)というスタイルが基本です。

レイヤリングとは?自転車通勤に大切なポイント

レイヤリングとは、異なる種類のウェアを重ねて着ることを指します。重ね着で空気の層を作り、内部の暖かさを保つことができるのです。

脱ぎ着がしやすいウェアを着用することで、体温調整も容易に。レイヤリングは登山でも使われる方法で、ベース・ミドル・アウターの3層を基本に、自分の体温や外気の変化に細かく対応できるようにします。ベースレイヤーで汗を吸収発散し、ミドルレイヤーで保温、アウターレイヤーで防風・防水の役割を担うのが基本の組み立て方となります。

ウェアで細かく体温調節をするという点は、自転車通勤においても重要です。冬の自転車は、最初こそ身を切るように寒いものの、15分、早ければ5~10分もすれば内側から体が温まってきます。そこに防寒性だけを優先してダウンジャケットやウールコートを着ていては、暑くて汗をかくし脱いでしまいたくなるはず。とはいえ脱いだらシャツ1枚だし、そもそも脱いでもかさばるからしまっておけないし…といった状況が発生します。

少し体が温まってきたら、ファスナーやベンチレーションから風を通して体温調整ができる。汗ばむほどになってきたらサッと脱いでバックパックに入れておく。そんな機能が冬の自転車ウェアには必要になってくるのです。

自転車通勤における「アウター/ミドル/ベースレイヤー」

冬の自転車通勤ウェアのレイヤリングは、アウター・ミドル・ベースの3つの層で構成していきます。いちばん肌に近いベースレイヤー、中間層となるミドルレイヤー、そして外気に直接触れるアウターレイヤーの3つです。

ロードバイク レイヤリング アウター ミドル ベース レイヤー 防寒 ウェア
冬のロードバイクを楽しむサイクリストたちにとっても、レイヤリングは基本。

◆アウターレイヤー

直接外気にあたる、いちばん外側の層がアウターレイヤーです。
自転車では防風性を主な目的として、冷たい風や軽い雨などをシャットアウトします。

スーツ着用が必須の方は、ジャケットやスーツ用のビジネスコートはオフィスに置いておき、通勤時だけでもウィンドブレーカーやウォータープルーフのシェルジャケットなどを着るのがおすすめです。

ゴアテックスに代表されるように、防水機能に透湿性も兼ね備えた高性能モデルなら、衣類内の蒸れも防いでくれます。

▶アウターにマウンテンパーカーという選択肢も
→「 肌寒い季節にピッタリ!自転車通勤×マウンテンパーカーのススメ

◆ミドルレイヤー

サイクルウェアであれば、長袖ジャージにあたるのがミドルレイヤー。中間層のレイヤーで、保温性の確保が主な目的です。さらに汗の吸収・発散効率が良いと◎。ベースレイヤーで吸い上げた汗をスムーズに発散させることができます。

会社で着替えができるのであれば、ここは是非専用ウェアで快適にサイクリングしましょう。スーツでサイクリングをする場合は、速乾吸収性の高いYシャツに、ウールのカーディガンやベストを合わせるのがおすすめ。1~2月など最も寒さが厳しい時期は薄手のインナーダウンを着るという手もあります。

◆ベースレイヤー

肌に密着する最下層のレイヤーです。インナー、アンダーウェアにあたります。保温性とともに、吸汗速乾性を最重視しましょう。汗をかいていつまでもシャツが濡れたままだと、汗冷えへとつながります。また水分は蒸発するときに熱を奪う性質があるため、素早く汗を吸水拡散して肌をドライに保つことはとても重要なのです。

標高の高い場所で育てられた羊の毛でできるメリノウールは、薄手でありながら保温性と吸湿発散性能を持ち、ベースレイヤーの素材としてもピッタリです。

真冬を乗り切る!自転車通勤に必要な防寒アイテム集

ここからは、ウェアにプラスして寒さを乗り切るアイテムをご紹介します。これで真冬も自転車通勤が続けられますよ。

露出する肌をカバー!首・耳・顔の防寒

特に冷たさを感じるのは、やはり肌が露出している部分。首からあご・口元までカバーできれば意外と顔周りは暖かく感じられます。本格的に寒くなってきたら、ネックウォーマーや、イヤーマフ、フェイスマスクなどで暖めましょう。イヤーマフはヘルメットの上から装着するので、後頭部の下から支えるタイプが◎。

耳まで覆うサイクルキャップを使うという手も。ただしヘルメットの下に装着するタイトなキャップなので、髪型の崩れが気になる人は要注意。

首の防寒といえばマフラーですが、自転車通勤ではおすすめできません。全身運動となる自転車では、常に動きがあるためどうしても位置がズレてきます。風を通さないように巻いたはずなのに、いつのまにか下がスース―とする。ほどけてしまったら一度自転車をとめて巻きなおす手間も必要になります。もっと言えば、ほどけて車輪にからまる危険性も。自転車通勤では、スポッとかぶれるネックウォーマータイプがおすすめです。

末端部分を守れ!手先・足元の防寒

寒い時期は体の中心を温めようとして手先や足先には血液が行き届きにくくなり、特に筋肉量の少ない女性は末端冷え性が多いと言われています。ただでさえ冷えやすい手先や足先をカバーしましょう。

真冬に自転車に乗るなら誰もが付つける手袋ですが、通勤サイクリングにはできれば自転車専用グローブを選んでください。というのも、防寒性だけでなくグリップ力も重要視してほしいのです。

冬の自転車通勤にはもちろん暖かさも必要ですが、ふかふかの手袋の中で手が滑るようなことがあると、ハンドリングやブレーキ操作がおぼつかなくなり大変危険です。

自転車専用でなくても、グリップ力があってハンドル操作がしっかりできるかチェックしておきましょう。

防寒 自転車通勤 靴 おすすめ 冬 スニーカー

足先が冷たい場合は、冷えやすい足首を覆うハイカットのシューズや、ビジネス向けにもマッチするレザー製など風を通しにくいスニーカーがおすすめです。

またシューズカバーは、冷たい雨や冷気から足先を守ってくれます。自転車用のシューズカバーは、もともとロードバイクなどスポーツサイクルで使われるビンディングシューズ用に作られたものが多く、一般的なスニーカーには合いません。

スニーカーやフラットシューズにはアウトドアメーカーの製品や、レインカバーなどもチェックしてみてください。

始業前はしっかり汗冷え対策を。体を内側からポカポカにする自転車運動で冬を乗り切る!

会社に着いたら、汗をしっかりふいて汗冷え対策をしましょう。できればインナーを着替えられたら汗冷えはもとより、ニオイ対策にもなります。大量に汗をかく夏と違って、適したウェアを着用していれば会社に着いてからは簡単なケアで済むのも冬のサイクリングの利点ですね。

寒い季節はどうしても体も縮こまりがちですが、自転車を使った全身運動で体を内側から温めてあげてはどうでしょうか。