「自転車で通勤したいけれど、時間がどのくらいかかるか気になる」、という理由で自転車通勤に踏み切れない方はいらっしゃいませんか?自転車の通勤時間を計算する際は、距離だけではなく、自転車の種類や道の状況も考慮に入れる必要があります。目安となる平均時速を参考に、ご自身の通勤時間を計算してみてはいかがでしょうか。

職場まで何分?自転車での通勤時間を計算する方法

自転車通勤の時間をおおよそ把握するためには、自宅から職場までの距離や自転車の速度を知る必要があります。基本的に一定の速度で計算しやすい徒歩と違って、自転車の場合には自転車の種類や道路事情の違いによって通勤時間が大きく異なります。

通勤時間は「自転車の速度」と「通行する道の状況」から予測できる

「自転車の種類による速度」と、信号待ちが多い街中か、郊外の道かといった「通勤ルートの状況」を考慮して、通勤時間を計算します。
通勤にかかる時間の計算は、基本的に以下の計算式で算出可能です。
「職場までの距離(km)÷(自転車の種類別の平均速度(km/h)×道路状況による速度の割合」

信号や人通りの多い公道では、速度がおよそ4割低下する!?

国土交通省の研究では、ギアなしシティサイクルの平均時速は、信号などの制限のない状態で16.8km/hでした(走行者の年齢は10~50代)。ところが、都内(江東区亀戸駅周辺)の公道を走った場合、平均速度は9.6km/hで、4割ほど速度が落ちています。
そのため、信号や交差点、人通りがほとんどない地域を走行する場合には「道路状況による速度の割合」は100%として、自転車の速度を「平均時速×1」で計算可能です。逆に都内など、信号、人通りが多い地域では、4割を減少させた「平均時速×0.6」を目安に、かかる時間を計算できます。
(参照元:http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/201105_no43/pdf/375.pdf

自転車の種類別!平均時速&街中での通勤にかかる時間の目安

自転車には、シティサイクルや電動アシスト自転車、ミニベロ、クロスバイク、マウンテンバイク、ロードバイクなどさまざまな種類があり、それぞれ走行速度も違います。種類別の平均時速を紹介します。

一般的な「シティサイクル」&「電動アシスト自転車」

シティサイクル(いわゆるママチャリ)の速度は約4~20km/hで、15km/hが平均的な速度といえます。
電動アシスト自転車の平均速度はシティサイクルよりも2km/hほど速くなりますが、信号などがある公道では、それほど速度差がないことが実験により明らかになっています。通勤時間の目安は、上記の通勤時間を計算する式を参照して計算できます。

以下の計算例はすべて市街地での走行を想定し、「平均時速×0.6」で計算しています。

・5kmの公道を通った場合の通勤時間
通勤時間=5÷(15km/h×0.6)=5÷9=0.56(時間)≒約30分強

タイヤの直径が小さい「小径車(ミニベロ)」

ミニベロはホイールサイズは小さくても、変速機が付いているものもありシティサイクルよりも速度が出しやすいとされています。モデル差は大きいですが、平均速度は20~25km/hが一般的です。

・5kmの公道を通った場合の通勤時間
通勤時間=5÷(20km/h×0.6)=5÷12=0.42(時間)≒約25分

安定感がある「クロスバイク」&「マウンテンバイク」

マウンテンバイクは、JISの分類では「スポーツ専用自転車」とされ、街中を走る場合には平均速度18~25km/hが一般的です。
クロスバイクは街中をスムーズに走れるため、平均速度は街中を走行する場合のマウンテンバイクと同じ程度とされています。

・5kmの公道を通った場合の通勤時間
通勤時間=5÷(22km/h×0.6)=5÷13=0.38(時間)≒約23分

最もスピードの出る「ロードバイク」

プロの最高時速は70km/h以上、条件のいい道路なら一般の人でも40km/hのスピードが出せるといわれる、ロードバイク。一般の人が信号の多い公道を走る場合には安全上それほど速度を出せないため、平均速度は20~30km/hほどです。

・5kmの公道を通った場合の通勤時間
通勤時間=5÷(25km/h×0.6)=5÷15=0.33(時間)≒約20分

自転車でも罰金刑?!スピード違反にも要注意

自転車は道路交通法上で「軽車両」に分類されています。自転車そのものには法定速度が定められていませんが、道路の「制限速度」は守らなければいけません。
自転車でも速度超過は道路交通法違反となり、交通切符が出されることもあります。3年以内に2回以上の違反や事故で「自転車運転者講習」の受講が必要になり、受講しない場合には5万円以下の罰金が科されます。制限速度を守り、安全で快適な自転車通勤を実施しましょう。

自転車の種類や道路の状況による平均時速の違いについてお伝えしました。ご自身が自転車で通勤する場合にかかる時間を計算できたでしょうか。算出した時間は目安ですので、実際の通勤時には時間に余裕をもって出かけるようおすすめします。景色を楽しみながら、さわやかな通勤時間をお楽しみください。

マインドスイッチでは、自転車や自転車通勤による健康的で豊かなくらしを実現するための情報をこれからも皆様にお届けしてまいります。