「最近疲れがとれない」「朝から体がだるい…」そんな小さな体調のアップダウンは誰もが経験したことがあるでしょう。日々忙しく働ている世代にとっては、切っても切り離せない「プチ不調」。そこには体内時計の狂いが潜んでいるかもしれません。
体内時計のリセットに必要な要素のひとつが「運動」。なかでも自転車は毎日手軽に取り入れやすい手段です。体内時計のズレを戻すのに有効な運動のタイミングと強度のコツを、自転車通勤目線で紹介します。
体内時計ってなに?カラダのどこに時計が!?
最近どうも朝がツライ。「季節の変わり目だから?」「ちょっと風邪気味なのかな?」などと考えがちですが、慢性的な疲労感はもしかすると体内時計の狂いが原因かもしれません。

地球の自転にしたがって生活するために、人間の身体は約24時間周期のリズムをもっています。このリズムを作り出しているのが体内時計。夜になると眠くなる、決まった時間におなかが空くのも体内時計の影響です。
人は全身に時計をもっている

では体内時計はカラダのどこにあって、どう作用しているのか。皮膚や骨、臓器など全身の細胞は、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という領域でコントロールされています。この視交叉上核が言わば「親時計」で、全身の細胞が「子時計」にあたります。
たとえば朝、目が覚めるとまず目から光が入ります。これが親時計である視交叉上核に届き、そこから全身の細胞に「起きろ」と命令が行きわたる。こうしてカラダは徐々に起きるモードへと切り替わっていくのです。
▶視交叉上核って? 吉備国際大学 の山口教授による解説はこちらから
つまり人は全身に時間感覚をもつ機能があり、カラダのいたるところで体内時計は動いていると言えるのです。
私の体内時計、狂ってる?放っておくとうつ病や免疫機能低下の恐れも
体内時計が狂っているかどうか自覚することは難しいですが、毎日の生活習慣が体内時計の狂いを測る手がかりに。夜更かしが習慣になってしまっていたり、眠りにつくまでスマホをいじっている、決まった時間になかなか起きられない、そんな人は要注意です。不規則な生活は体内時計を少しずつ狂わせていき、うつ病や免疫機能の低下、生活習慣病などの疾病につながることも。
まずはついついやってしまいがちな夜更かしを改め、朝の光を浴びるように習慣づけてみましょう。

体内時計のリセット方法。コツは「光」「食事」そして「運動」
乱れはじめた体内時計をリセットするには「光」「食事」「運動」の3要素が必要です。

「光」
体内時間を狂わせないための大事なポイントが、起きる時刻を一定にすること。寝室のカーテンを少し開けて、朝日を感じられる環境づくりをしてみましょう。起きたら太陽の光をしっかり浴びて、1日のスタートを体全体で感じるように意識して。
また入眠前は強い光を避けてリラックスした状態をつくり出します。スマホは置いて、好きな音楽を聞いたり、静かに読書がベター。副交感神経が活性化され、良質な眠りへと導いてくれます。
「食事」
朝食をきちんと摂って、朝から胃を動かします。胃が動くことで全身の細胞が始動モードに切り替わります。神経伝達物質であるセロトニンを多く含むバナナや納豆、卵を食べると細胞の活性化に効果的と言われています。
「運動」
ホルモンの分泌を刺激する運動も、体内時計のズレを戻すのに有効です。運動習慣がない人でも手軽に取り入れられる自転車はうってつけ。忙しくて運動する時間がとれない人こそ、通勤や外出で積極的に自転車を取り入れて、体内時計のメンテナンスに役立ててみては。
自転車通勤で体内時計のズレを戻す2つのコツ
①朝はゆっくり。自転車の爽快感でリフレッシュ

朝は「ゆったり、ゆっくり」のペースで。起きてすぐのカラダは水分量が少なく、パフォーマンス効率も悪い状態。心筋梗塞などの発症リスクが高い時間帯でもあるため、カラダがアンバランスな状態での激しい運動は避けるべきです。
起床して1時間は食事や水分を摂ってゆったり過ごし、軽いペダリングで出勤します。負荷をかけずリズミカルに脚を回しながら、朝の空気をカラダ全体で感じましょう。
②帰りはしっかり。夕刻の帰宅時間はパフォーマンス効率アップ!
帰宅時間が16~18時になることが多い自転車通勤派に朗報です。体温などの変化に連動して、運動のパフォーマンス効率は16時頃に最大化すると言われています。このピーク時間をうまく利用して、自転車運動の効率を高めることができるのはうれしい情報です。

酸素摂取量や全身反応時間など多くの機能が最もパフォーマンスを発揮する時間帯に、息があがる程度の強めの運動をすると効果的です。
交通量の少ない道を選び、いつもより重いギアで少しスピードをあげてみる。坂道を積極的に利用してみる。トレーニング目線で自転車を漕いでみると良いでしょう。

ただし眠りにつく2~3時間前は、強めの運動は逆効果に。就寝まで時間がないような遅い時間帯での帰宅には注意が必要です。
体内時計をリセットしてカラダのズレを整える。自転車通勤を効率よく活用しよう
地球の自転に従ったカラダのリズム(サーカディアン・リズム)は、実は地球の自転の24時間より少し長い周期だと言われています。つまりサーカディアン・リズムは毎日少しづつズレが生じてしまうことになり、それを体内時計で毎回リセットしてあげることが大切なのです。
朝の光を浴びながら軽めの運動でリフレッシュできる自転車通勤で、体内時計をしっかりリセット。身体機能がアップする夕方は、ジムでトレーニングするように自転車を漕いでみる。毎日の自転車通勤で気になるプチ不調をスッキリさせましょう。
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