朝から爽快感バツグンの自転車通勤、仕事でモヤモヤした頭もサイクリングでスッキリ帰宅。自転車で通勤するようになってから、気持ちの切り替えができて仕事の調子もいいような…?

自転車通勤が脳やココロに与える影響とは?さらに仕事の効率化にどうつながるのか。今回は自転車とカラダの内面との関係性に迫ります。

有酸素運動がもたらす脳ミラクル

自転車通勤を始めて実感する変化とはどのようなものなのでしょうか。自転車に乗るようになってどんな「イイこと」があったか、実際の声を最初に紹介しておきましょう。

電車通勤 自転車通勤 違い メリット

「考えがまとまる、ふとしたアイデアがサドルの上だと生まれやすい!」

「集中力がアップしたように思う。判断も早くなった気がします。」

「仕事のストレスを持ち帰らなくてすむ、気持ちのコントロールがうまくなった」

「色々な場面で結論を出すのが早くなった、注意力があがったと思う」

ビジネスパーソンとしてのキャリアを歩む上でも「イイこと」ありそうな声ばかりですが、アンケートでは8割もの人が「自転車は脳にイイ」と感じているという結果に。実はその効果は実験からも明らかにされています。

筋肉と同じように、運動で脳も鍛えられる

自転車通勤を続けていると、カラダの調子だけでなく、仕事面でもプラスに働いている気がする…。事実、子どもや高齢者を対象にした実験では「有酸素運動で脳が活性化する」ことが明らかになっています。

運動を定期的に行っていたグループの子どもは、脳の前頭前野が司る機能(実行機能)が改善し、脳活動が活発になっていることが示されました。この実行機能とは、論理的思考力や計画性、問題解決能力などに深く関与していると考えられています。

▶実際の実験内容や詳しい結果はこちらから

→「子どもの脳を育むには、塾より運動!?

また高齢者を対象にした実験では、有酸素運動によって記憶を司る海馬と呼ばれる部位の体積が大きくなり、記憶力の向上に有効であるという結果も出ています。

いっぽうで働き盛りの世代を対象にした実験はあまり行われておらず、明解なデータはありませんが、大学生を対象に一過性の運動を行ってその前後を比較した実験では、記憶力や実行機能が高まったというデータが複数存在しています。

つまり子どものケースと同様に、有酸素運動は記憶力や論理的思考力、問題解決能力、計画性などの向上が期待できると考えられているのです。

冒頭の自転車ユーザーの声は、いずれも科学的に裏付けされたものだったんですね。

▶あわせて読みたい

→「ビジネスを制するには、MBAより自転車!? 

「レジリエンス」と「マインドフルネス」でストレスと上手に付き合う

“ストレスのためすぎはよくない ” ことは、誰もが知るところです。しかし働く世代にとって、全くストレスなく過ごせる人はほとんどいないのではないでしょうか。

仕事で失敗して落ち込んでしまう。ビジネスシーン特有の人間関係。一生懸命取り組んでいても、「うまくいかない」場面に遭遇することも多いですよね。

避けられないストレスにはどう向き合う?

このように怒りや不安などの感情に襲われたとき、意識したいのが “レジリエンス”。レジリエンスには「復元力」という意味があり、落ち込んだ気持ちを回復させる心のしなやかさを指します。感情に振り回されて衝動的な行動をとったり、我慢をしてため込むのではなく、自分の感情に俯瞰(ふかん)的に気づき、落ち着いて対処できるスキルのことです。

もうひとつの感情コントロールとして注目されているのが “マインドフルネス”。スマホからあふれる通知や、情報社会の意思決定疲れも立派なストレス要因です。そんな情報過多な日常において、”マインドフル” な状態では『今ここ』に集中しながらも、自分の状態を俯瞰的にとらえるよう意識します。瞑想や座禅で行うような注意のコントロール方法ですね。

これが身につくと感情コントロール力も上がり、周囲に惑わされず集中でき、ストレスを抱え込みにくくなります。

レジリエンスを高め、自分と向き合える時間になる自転車通勤

“レジリエンス”を高めるためには、適度な運動が効果的とされること、さらには情報から遮断され、かつ走行に集中する状態が続く自転車通勤は、マインドフルな状態をつくり出すために最適な環境と言えるのです。

仕事の前後でココロを整える。自転車通勤は単に「ストレス発散」と呼ぶには余りある効果がありそうですね。

▶あわせて読みたい

→「「ブレない心」をどうつくる?

仕事の効率はどうあがる?

問題解決能力や計画性が高まる有酸素運動。レジリエンスとマインドフルネスを助ける自転車通勤。では実際に仕事の効率はどのように変化するのでしょうか? 実際のデータで確認してみましょう。

自転車通勤を2か月行った会社員を対象に、「時間管理」「身体活動」「集中力・対人関係」「仕事の成果」からわかる “労働生産性” の変化をグラフ化しています。どの項目も大きく向上しており、自転車通勤によって全般的に効率が上がって、スムーズに仕事を遂行できていることが明解に。


この調査では、約40%以上のモニターで労働生産性の総合評価が改善しています。自分の脳力および能力をもっと生かして「仕事をうまく進めたい」という会社員の多くが感じる思いを、自転車通勤がサポートする可能性は高そうです。


▶あわせて読みたい

→「通勤サイクリングで仕事の生産性は高まる!?

脳活&感情コントロールを自転車通勤で上手にサポート

自転車通勤でカラダの調子だけでなく、なんとなく仕事もうまくいっている気がする。それは科学的にも根拠のあることだとわかりました。

難しく考える必要はなく、自分が気持ちいいと感じることに素直になって、気分が落ち込んだときはいちど自分を俯瞰して捉えてみる。自転車で仕事もカシコく、楽しいものへとシフトチェンジしてみませんか。