コンディションは変化し続けている

たとえば、毎日同じ道を走っていたとしても、一日たりとも同じ身体のコンディションで走れる日はないでしょう。その日の風向きや天候によって環境は変化しますし、その日の体調によって自分のパフォーマンスも変化してしまうからです。
そんな日々変化する身体のコンデションに対応してくれるのが変速機です。向かい風がつらい時、登り坂で回転が止まりそうな時、ちょっと疲れているかも…という時は無理せず、変速機に頼りましょう。

変速機のおさらい

前回の「クロスバイク変速機のいろは」でもお伝えしましたが、軽くおさらいしましょう。後ろのギア(歯車)を大きくするとペダリングは軽くなるので、発進時や登り坂など大きな力が必要な時に向いています。ギアを小さくするとペダル一回転で進む距離が長くなり、高速走行に適しています。シフトレバーの表示は小さい数字になるほどペダリングは軽く、大きい数字になるほどペダリングは重くなります。

ケイデンスを意識してみよう

1分間のペダル回転数を「ケイデンス」と呼びます。このケイデンスがちょうど良い走りを知る目安となります。個人差はありますが、まずは平地で60回転くらいを無理なくペダリングできるように、シフトチェンジを行ってみると良いでしょう。たとえば、右足のペダルを踏みだして一周して元の位置に戻ると1回転したことになります。右足が1秒ごとに1回転するようにこぐとケイデンス60のペダリングになります。

変速のコツ

それでは上図の9段変速クロスバイクを例に、具体的に変速のコツをお伝えしていきましょう。

グッと踏み込んで発進!

最初のこぎ出しはシフトレバーを操作して②、③などの大きめのギアで行います。グッと踏み込んで走り出し、安定してきたら④、⑤と徐々にシフトアップしていきましょう。

小さなギアでスイスイ

平坦でまっすぐな長い道のりは、少し大きめ⑤、⑥のギアでケイデンスを意識しながら、適度なスピードのペダリングを楽しみましょう。

登り坂を制覇!

登り坂が近づいてきたら、④→③と徐々にギアを下げ、軽いペダリングにしていきます。自転車が止まってしまうような急坂は②→①と一番軽いギアで対応しましょう。

長い下り坂は小さなギアを

逆に下り坂の場合は、自然にスピードが上がってしまい、ペダルが追いつかなくなってしまったりします。足が空回りしないように適度にギアを上げ、ブレーキを併用しながらスピードをコントロールしましょう。

信号前の減速に備えよう

信号などで停止する前には、ブレーキをかけて減速しながら、徐々にギアを下げ、こぎ出し時のギアに戻していきます。再スタートに備えてギアを調整しておくと、再びスムーズに発進することができます。

不安定な路面は

でこぼこな道や曲がりくねった道は、急な状況変化に対応できるよう、軽めのギアでゆっくり走る方がより安全でしょう。

「行きは向かい風だったから、帰りは追い風だ♪」なんて思っていたら、帰りも向かい風だった…なんて気まぐれ天気な日、ありますよね。そんな日は、ギアと一緒に気持ちもシフトチェンジしていきましょう!