この記事でわかること
- DURA-ACE R9300ホイールファミリーの新機能と、用途に応じたリムプロファイルの選び方
- カーボンスポーク、リム開発、システム設計がライドフィールと応答性にどのような影響を与えるか
- C36、C50、C60、C99、そしてリアディスクホイールのモデル別概要
この度、当ウェブサイトにて、従来より販売しているブランドのラインナップ情報へのリンクを新たに追加しました。
新たに設定したブランドは以下の通りです:
ROAD : TIAGRA/SORA/CLARIS
MTB : ALIVIO/ACERA/ALTUS
LIFESTYLE : ALIVIO/ACERA/ALTUS, TOURNEY
これらのリンクは、各カテゴリーの「PRODUCT」内にある「GROUPSET」に設定しております。
各ブランドのラインナップや部品ごとの詳細な仕様・特徴については、ブランド名をクリックしてご確認ください。
シマノが掲げるScience of Speedという、実走行でのパフォーマンスを追求する開発思想のもと、このラインアップは5年にわたる改良、検証、そしてワールドツアーの選手やプロトライアスリートとの共同開発によって生み出されました。
彼らは機材を、グラム、ワット、秒数、そしてフィーリングによって評価します。
軽量クライミングホイールからタイムトライアル向けのシステムまで、各モデルはリム、スポーク、ハブ、ベアリングを一体の構造として設計されています。
それぞれの要素が連携することで、信頼できるスピード性能を実現します。
ライダーが「速いホイール」について語るとき、ひとつの数値だけを見ていることはほとんどありません。
それは感覚として語られます。
スピードの乗り方。
負荷をかけたときの鋭い加速。
高速コーナーでの安定したライン取り。
そして風向きが変わったときでも変わらない予測しやすいハンドリング。
それは、乗ればすぐにわかる感覚です。
そして、その感覚はバランスから生まれます。
新しいDURA-ACEホイールラインアップが目指したものも同じです。
速く感じるホイールではなく、速く走るホイール。
風洞実験の中だけでも、完璧な路面の上だけでも、特定の速度域だけでもありません。
変化し続けるレース環境の中で、一貫して速さを発揮するホイールです。
ホイールはシステムです。
リム形状は空気の流れや横風の影響を左右します。
スポークは剛性や応答性、振動特性に影響を与えます。
ハブとベアリングは回転性能、耐久性、そして整備性を決定づけます。
そして、これらの要素をひとつのシステムとして設計することで、生まれるのは
単なるスピードだけではありません。より大きな自信です。
だからこそ、この新しいホイールファミリーは、3つの柱を中心に開発されています。
新しいDURA-ACEのリムプロファイルは、広範なシミュレーションと検証を通じて開発されました。
その形状は、さまざまなヨー角や実際の走行環境において空気の流れを最適化できるよう磨き上げられています。
目指したのは、単に空気抵抗を低減することではありません。
現実の走行環境の中で、実際に役立つスピードを実現することです。
R9300世代では、新たに設計されたカーボンスポークと、用途に応じて最適化されたスポークパターンを採用しています。
スポークの選択は見た目のためではありません。
それは構造上の選択であり、横剛性、加速性能、そしてライダーのパワーがどれだけダイレクトに推進力へ変換されるかに影響を与えます。
DURA-ACEシリーズ全体を通して、シマノは用途ごとに最適化されたスポークパターンを開発しました。
それぞれのホイールが、その目的にふさわしい特性を発揮するためです。
鋭い加速が求められるヒルクライムでは、瞬発力が重要になります。
さまざまなレース環境に対応するには、バランスが必要です。
高速域で勝負が決まる場面では、絶対的な安定性が求められます。
すべてのスポークパターンは、そうした異なる性能要件を反映して設計されています。
シマノのカップ&コーンベアリングは、ライダーが長期間にわたって求める性能を支える技術として、今も開発の中心にあります。
それは、荷重がかかった状態での滑らかな回転性能、耐久性、調整性、そして整備性を実現するからです。
その結果、ホイールセットは新品時だけでなく、シーズンを重ねても高い精度を維持します。
DURA-ACE WH-R9370ホイールでは、カップ&コーンハブアーキテクチャーをさらに進化させました。
交換可能なベアリングカップ、新しい防水シール、そして長期耐久性の向上を備えた、完全に整備可能な構造を採用しています。
新しいDURA-ACEラインアップは、山頂フィニッシュのあるレースから、全力スプリント、そしてタイムトライアルまで、現代のロードレースに対応するよう設計されています。
それぞれのモデルの特徴を見ていきましょう。
登坂、長い上り、繰り返される加減速、そして瞬時のペース変化が求められる走り。C36は、そうしたシーンのために開発されました。
36mmハイトのリムプロファイルを採用し、応答性を損なうことなく軽量化を追求。C36は、クライマーが求めるフィーリングに合わせてチューニングされています。素早い加速、スムーズなケイデンス変化、そしてホイールの存在を感じさせない軽快な走りを実現します。
また、そのリムハイトに合わせて空力性能も最適化されています。平坦路に変わりスピード域が上がっても、巡航性能を犠牲にすることはありません。
主な特長
C36は、勾配変化をすべてアドバンテージに変えたいライダーのためのホイールです。
そして、高速ダウンヒルでのコントロール性能も犠牲にしません。
バランスを体現するホイールがあるとすれば、それがC50です。
洗練されたオールラウンドレーシングホイールとして設計されたC50は、空力性能、軽量性、剛性を高い次元で融合し、ほぼあらゆるコース、あらゆるライダーに対応します。
ヒルクライム性能か平坦でのスピード性能か。そのどちらかを選びたくないときに手に取るべきホイールです。
C50は、最適化されたカーボンスポーク構成と改良されたリムレイアップを採用しています。
スプリント、コーナリング、そして変化する風の中での安定性を重視して設計されており、その結果、加速時にはダイレクトな反応を示し、限界域では落ち着いた挙動を保ち、高速巡航時には優れた効率を発揮します。
主な特長
DURA-ACEにふさわしい性能であらゆるシーンに対応できる1本を求めるなら、C50がその基準となります。
逃げ、横風による分断、リードアウト、高速サーキット。
スピードが勝負を決める場面を得意とするライダーのために、C60は高速域での効率を追求して開発されました。
60mmハイトのリムを採用したC60は、空力性能と、高出力を繰り返す走りに必要な剛性を重視しています。
スポーク構成とホイール構造は、駆動剛性を高めるとともに、力強く踏み込みながら狙ったラインを維持できる安定したハンドリングを実現するよう設計されています。
主な特長
C60は、単に最高速を求めるライダーのためのホイールではありません。
レースが動いたその瞬間に応えられる、安定したスピードを求めるライダーのためのホイールです。
空力性能は、しばしば単一の性能指標として語られます。
しかしライダーが体感するのは、小さなアドバンテージの積み重ねです。
限界域で走っているときのわずかな抵抗の低減。
風向きが変わったときの影響の少なさ。
そしてスピードが上がったときでも、フロントまわりに感じられる安定感。
だからこそ、新しいDURA-ACEのリムプロファイルは、シミュレーションと検証を重ねながら開発されました。
そして最終的には、唯一重要な指標を確かめるために実走テストへ持ち込まれました。
レースというプレッシャーの中でライダーが感じるフィーリングです。
カーボンスポークにも同じ考え方が貫かれています。
それは単独の機能ではなく、ホイールシステムを構成する重要な要素です。
目指したのは新しさではありません。
応答性です。
より鋭い加速。
より正確なラインコントロール。
そして、さらなる負荷をかけたときでも形状とスピードを維持する能力です。
これらのホイールは、世界最高峰の選手たちが求める性能を念頭に開発されました。
トップレベルのレースでは、機材は過酷な条件下で使用され、その性能が結果を左右します。
開発においては、ワールドツアーチームの選手たちからのフィードバックが大きな役割を果たしました。
剛性や軽量化を特定の部位に施すことで走りがどう変わるのか。
レースが激しく動いたときにホイールにはどのような挙動が求められるのか。
スプリントやダウンヒルで感じる「自信」とは何か。
そうした実走から得られた知見は、開発にとって非常に価値のあるものでした。
その結果として生まれたのは、理論上の理想ではありません。
日曜日のレースでゼッケンを付けて走るときも、
仲間とのライドで自己ベスト更新を目指してヒルクライムに挑むときも。
レースの現実に基づいて磨き上げられたホイールシステムです。
滑らかさも、速さの一部です。
そして信頼性もまた、速さの一部です。
カップ&コーンベアリングは、荷重がかかった状態での高い横剛性、耐久性、そして長期間にわたる調整・整備を可能にすることから、シマノのホイール設計において重要な位置を占め続けています。
また、ライダーからのフィードバックをもとに、カップ&コーンの構造を改良。ベアリングシステム全体の整備性と防水性能を向上させました。
計画的なトレーニングを週ごとに積み重ねるパフォーマンスライダーにとって、これは重要なことです。
機材の精度が維持されれば、ライダーの力も効率よく伝え続けることができます。
シマノのタイムトライアル/トライアスロン用ホイールシステムは、空気の中をより効率よく進むよう設計されています。空気抵抗を抑えながら、より高いスピードを維持できるようサポートします。
C99フロントホイールは、高速巡航と長時間の高出力走行のために設計されています。
99mmハイトのリムを採用し、そのディープリム構造を活かした16本スポーク構成としています。
一定のパワーを維持しながらタイムを削り出す場面で、空気抵抗を効果的に低減するよう設計されています。
主な特長
リアホイールには、空気抵抗の低減を追求したDURA-ACEディスクホイールを用意しています。
そのエアロプロファイルは、広範なシミュレーションをもとに開発されました。
高速域で安定したペースを維持するために設計されており、C99フロントホイールと組み合わせることで、レース向けシステムを完成させます。
主な特長
秒単位の差やスプリットタイムを追い求めるライダーにとって、C99とリアディスクは目的を明確にした妥協のない組み合わせです。ひとつのラインを定め、そのまま走り続けるために設計されています。
山岳ステージからスプリントフィニッシュ、そしてスタートランプへ向かう瞬間まで。
新しいDURA-ACEホイールファミリーは、ひとつの明確な思想に基づいて開発されています。
| Model | Design | Front Wheel | Rear Wheel |
|---|---|---|---|
| C36 | クライミングステージに最適な軽量性 |
スポークタイプ: Aero Carbon スポーク本数: 18 リム幅: 29.4 mm |
スポークタイプ: Aero Carbon スポーク本数: 21 リム幅: 29.4 mm |
| C50 | 幅広いシーンに対応するオールラウンド性能 |
スポークタイプ: Aero Carbon スポーク本数: 21 リム幅: 31 mm |
スポークタイプ: Aero Carbon スポーク本数: 21 リム幅: 32 mm |
| C60 | 優れた空力性能と高剛性 |
スポークタイプ: Aero Carbon スポーク本数: 21 リム幅: 31.5 mm |
スポークタイプ: Aero Carbon スポーク本数: 24 リム幅: 32.3 mm |
| C99/DISC | 空力性能に特化。タイムトライアル&トライアスロン向け |
スポークタイプ: Super Aero Carbon スポーク本数: 16 リム幅: 35.2 mm |
DISC |
現代のレースにおいて、最適な機材は単一の性能だけで決まるものではありません。
コンディションが変化しても、ペースが上がり続けても、変わらず性能を発揮し続けられることが重要です。
新しいDURA-ACEホイールファミリーをぜひご覧ください。
そして、あなたにとって決定的な瞬間のために設計されたプロファイルを選んでください。