
脂肪が増える原因とは?
私たちの身体は年齢とともに、基礎代謝量、つまりは生きていくために使うエネルギーが減少していくことから、脂肪をためやすい身体になっていきます。グラフからもわかるように、基礎代謝のピークは男性が15~17歳、女性が12~14歳。

脂肪が蓄積して太りやすくなりはじめるのは30~40代であり、更年期になると女性はエストロゲンという女性ホルモンの減少によって内臓脂肪がつきやすくなり、男性はアンドロゲンという男性ホルモンによって筋肉が減少することなどから、脂肪のつきやすい身体になっていくと考えられています。
歩行より消費エネルギーが大きい自転車運動
こちらのグラフは、体重65㎏の男性が“平地”と“3%の登り坂”を歩行、さらに軽快車とロードバイクによる自転車走行をした場合の1分間当たりの消費エネルギーをあらわしています。

自転車運動と歩行の消費エネルギーの違いを見ると、1分間の消費エネルギーは自転車が軽快車・ロードバイクともに登り坂での走行で高くなっています。歩行では平地と登り坂による差があまりないものの、自転車だと軽快車・ロードバイクともに、登り坂により消費エネルギーが平地と比べて、2倍以上に大きく変化しています。同じ条件の道なら、自転車の方がより負荷の大きい運動ができることになります。
自転車運動による脂肪燃焼効果
メタボリック症候群とその予備軍の男性6名が3ヶ月間「できるだけ自転車を使う」というゆるやかなルールで実験した結果がこちらです。

上のグラフの6名平均では、体重は-2.3㎏、体脂肪率は-1.2%とともにダウン。個別の2名分の推移グラフからも、順調に体重と体脂肪率が落ちていることがわかります。
たった3ヶ月のゆるやかなルールの自転車運動でこの結果は驚きです。
全く運動をしていないという人は、まずは自転車通勤などの軽い自転車運動を習慣化することから始めてみましょう。慣れてきたら、坂道を意識的に活用したり、赤信号などでの一時停止後に再発進するときの加速を意識したりと、より高い負荷が得られる工夫をして、脂肪をためない身体をつくっていきましょう。
運動の他に、バランスの良い食事、質の良い睡眠を心がけることもお忘れなく。

自転車通勤についてはコチラから。
Vol.30自転車通勤が続かなかった人へ。運動を継続するための「スモールチェンジ」のコツ
マインドスイッチでは、自転車や自転車通勤による健康的で豊かなくらしを実現するための情報をこれからも皆様にお届けしてまいります。
監修 :
名古屋市立大学大学院 システム自然科学研究科 髙石鉄雄 教授
龍谷大学 農学部 食品栄養学科 石原健吾 准教授
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