この度、当ウェブサイトにて、従来より販売しているブランドのラインナップ情報へのリンクを新たに追加しました。

新たに設定したブランドは以下の通りです:

ROAD : TIAGRA/SORA/CLARIS

MTB : ALIVIO/ACERA/ALTUS

LIFESTYLE : ALIVIO/ACERA/ALTUS, TOURNEY

これらのリンクは、各カテゴリーの「PRODUCT」内にある「GROUPSET」に設定しております。

各ブランドのラインナップや部品ごとの詳細な仕様・特徴については、ブランド名をクリックしてご確認ください。

フロントシングル(1x)とフロントダブル(2x)ドライブトレインのどちらでグラベルバイクを組むかは、悩ましい問題です。しかし、ライディングスタイルやこれから挑む地形を考慮すれば、どちらのセットアップが適しているかはすぐにわかります。自信をもって選べるように、このガイドではそれぞれのセットアップのメリットや用語、おすすめのSHIMANO GRXのギア構成などについて紹介します。

 

ギアコンセプトの概要

フロントシングルとダブルの比較を行う前に、まずは主要な用語について確認しましょう。

  • ギア比 - フロントチェーンリングとリアカセットスプロケットコグの関係を言います。ギア比が高いと、ギアは重くなり、トップスピードが速くなります。ギア比が低いと、ヒルクライムが楽になったり、高いトルクを得やすくなります。
  • ギアステップ - カセットスプロケット上で隣り合うギアの歯数の差分を言います。ギアステップが小さいほどケイデンスを細かく調節でき、変速時にペダルの負荷の変化が小さくなります。一方で、ギアステップが大きければ、頻繁に変速しなくても、大きな地形の変化に対応しやすくなります。
  • ギアレンジ - ギアの最小と最大の歯数の比率を言います。例えば、11–36Tカセットスプロケットのギアレンジは、327%です。セカンドチェーンリングを追加すれば、このギアレンジを更に大きくすることができます。

グラベル用GRX フロントシングル

フロントシングルのドライブトレインは、シンプルな変速システムを求めるライダー向けです。GRX 1x12スピードDi2には10–51Tカセットスプロケットにシングルチェーンリング(40Tと42T)が組み合わせられます。ギアレンジとギアステップをカスタマイズできます。

 

SHIMANO 1x GRX gravel bike gearing
SHIMANO 1x GRX gravel bike gearing

フロントシングルの利点:

  • フロントディレーラーが不要で、直感的に変速できる
  • 泥抜けが良く、泥などが詰まりにくい
  • 軽量でメンテナンス頻度が低い

 

チェーンリングの選択肢:

  • 42T – 高速路でのスピード重視です。レーサーやシクロクロスライダーがグラベルに移行するときに最適です。
  • 40T – ヒルクライムでの走行性とスピードのバランス型です。なだらかな起伏のある地形や長い傾斜を走る場合や高いケイデンスを好むライダーに最適です。
  • 38T – ヒルクライム用のローギアを最大限に活かせます。山岳地帯に住んでいるライダーやキャンプの装備を積んで数日間の旅に出かけるライダーに最適です。

 

GRX フロントダブル

フロントダブルのドライブトレインはギアレンジが広く、ギアステップを小さくできます。ケイデンスを細かくコントロールしたいライダー向けです。GRXでは、2種類のダブルチェーンリング(48/31Tと46/30T)があり、いずれもシマノの12スピードカセットスプロケット(11–30T、11–34T、 11–36T)と組み合わせられます。

SHIMANO GRX 2x Di2 gravel bike
SHIMANO GRX 2x Di2 gravel bike

フロントダブルの利点:

  • ギアステップが細かいため、ケイデンスが大きく変化しない
  • 全体的なギアレンジが広く、様々な地形や状況に対応できる
  • 向かい風や険しいヒルクライム、平坦路などに対応できる汎用性

 

チェーンリングの組み合わせ:

  • 48/31T – 平坦路や起伏のなだらかなコース、レース、安定した高速走行向け。
  • 46/30T – 険しいヒルクライム、スローペースのエンデューロライドに最適。

カセットスプロケットオプション:

  • 11–30T(ギアレンジ 272%) – クロスレシオのギアで急な速度変化にも対応。
  • 11–34T(ギアレンジ 309%) – ギアレンジとギアステップのバランス型。
  • 11–36T(ギアレンジ 327%) – 険しいヒルクライム向けのローギア。
Shimano GRX RX827 1x GRX gravel groupset
Shimano GRX RX827 1x GRX gravel groupset

ケイデンスとスピードの比較

ここからは、ギアステップについて詳しく見ていきます。フロントシングルとダブルのセットアップで変速するときに、ライダーのスピードがどのように変化するかを確認しましょう。 

 

2x12スピードのセットアップ(GRX 48/31Tのチェーンリング、11-36Tのカセットスプロケット)で、ライダーが100 rpmでペダリングする場合、アウターチェーンリングでカセットスプロケットのトップ側3段で走ると、そのスピードはそれぞれ下記のようになります。

 

  • 11Tコグの場合:57 km/h (35.4 mph)
  • 12Tコグの場合:50 km/h (31.1 mph)
  • 13Tコグの場合:46 km/h (28.7 mph)

 

つまり、3種類のGRX フロントダブルのドライブトレインシステムでは、トップ側3段のギアにおけるスピード差は、11 km/h (6.7 mph) となります。

SHIMANO GRX 1x Di2
SHIMANO GRX 1x Di2

1x12スピードのセットアップ(GRX 42Tのチェーンリング、11-51Tのカセットスプロケット)で、ライダーが100 rpmでペダリングする場合、カセットスプロケットのトップ側3段で走ると、そのスピードはそれぞれ下記のようになります。

 

  • 10Tコグの場合:55 km/h (34.0 mph)
  • 12Tコグの場合:46 km/h (28.4 mph)
  • 14Tコグの場合:39 km/h (24.3 mph)

 

つまり、3種類のGRX フロントシングルのドライブトレインシステムでは、トップ側3段のギアにおけるスピード差は、15.6 km/h (9.7 mph) となります。スピードの差は、コグサイズのステップが大きいほど大きくなります(10T、12T、14T)。この結果から、フロントダブルのギア比の差が細かいこと、一方でシングルではギア比が大きく飛ぶことがわかります。

 

ライディングスタイル別の推奨セットアップ

ややこしい計算で頭が痛くならないよう、ライダー別に実績のあるギアの組み合わせを紹介します。目的に合ったセッテイング選んで、必要に応じてチェーンリングやカセットスプロケットを微調整してください。

SHIMANO GRX 1x vs 2x comparision chart
SHIMANO GRX 1x vs 2x comparision chart
Shimano GRX Di2 1x
Shimano GRX Di2 1x

GRXは、フロントシングルのシンプルさを好むライダーにも、フロントダブルの細かいコントロール性を好むライダーにも対応します。ハイスピードなレースからバイクパッキングの旅に至るまで、走る場所やライディングスタイルに応じたギアリングを揃えています。さあ、どのチェーンリングを選んだとしても、準備をして冒険に出発し、楽しんでクランクを回しましょう。