この度、当ウェブサイトにて、従来より販売しているブランドのラインナップ情報へのリンクを新たに追加しました。

新たに設定したブランドは以下の通りです:

ROAD : TIAGRA/SORA/CLARIS

MTB : ALIVIO/ACERA/ALTUS

LIFESTYLE : ALIVIO/ACERA/ALTUS, TOURNEY

これらのリンクは、各カテゴリーの「PRODUCT」内にある「GROUPSET」に設定しております。

各ブランドのラインナップや部品ごとの詳細な仕様・特徴については、ブランド名をクリックしてご確認ください。

近頃は日が長くなり、暖かくなってきましたね。ガレージから自転車を引っ張り出して、ライドに最適なシーズンに向けて準備するときです。冬の間はずっとオフにしていた人も、あるいは悪天候に耐えて自転車で出かけた人も、シーズンの始まりには必ず自転車を点検し、すべての部品の動作を確認してからライドに出かけることが大切です。

 

ブレーキ、シフティング、チェーン、タイヤをはじめとする自転車の重要部品の基本的な点検方法を下記に記載しました。このガイドに従って自転車のチェックを行えば、春夏の毎日の冒険へ駆け出す準備は万端です。ほんの少し時間を割いて自転車を点検して、些細なメカニカルトラブルがライド中の大きなトラブルにならないようにしましょう。

 

 

シマノパーツ搭載の12スピードGRXバイクで、シマノのチェーン工具を使用してチェーンの伸びをチェック シマノパーツ搭載の12スピードGRXバイクで、シマノのチェーン工具を使用してチェーンの伸びをチェック シマノパーツ搭載の12スピードGRXバイクで、シマノのチェーン工具を使用してチェーンの伸びをチェック

チェーンの点検と整備

チェーン伸びチェッカーを使用して、チェーンが伸びてしまったか、まだ適正範囲かを判断します。磨耗したチェーンは、チェーンリングやカセットスプロケットといった他の(より高価な)コンポーネントも摩耗させてしまいます。そのため、チェーンはシーズンを通して定期的に点検を行い、必要に応じて交換するようにしてください。また、チェーンがきれいな状態であるかも確認してください。まさか、汚れたまま放置していないですよね?もし汚れたままだった場合は、ブラシとディグリーザーで清掃を行い、自転車専用のチェーンルブで再潤滑します。MotorexのRoad Strong Chain Lubeなどの耐水性のチェーンルブは、春の変わりやすいコンディションやぬかるんだロードでのライドに最適です。

Motorexのチェーンルブでシマノの12スピードバイクチェーンを潤滑 Motorexのチェーンルブでシマノの12スピードバイクチェーンを潤滑 Motorexのチェーンルブでシマノの12スピードバイクチェーンを潤滑

適切にチェーンを潤滑するために、まずはチェーンがきれいで乾燥していることを確認します。ブラシと温かい石けん水、またはバイオディグリーザー(Motorex Bike Chain Degreaser Sprayなど)を使用して、泥やべたつきを落とします。チェーンは必ず水でよくすすぎ、そのあとウエスやエアコンプレッサーで速やかに乾かしてください。水分が残っていると酸化や錆の原因になるため、チェーンを乾かすことが非常に重要です。

 

状態が良く、きれいで完全に乾いたチェーンが用意できたら、チェーンルブのボトルを取り出し、各ローラー(各リンクに垂直なシリンダー)に1滴ずつ塗布します。チェーンの長さにもよりますが、合計で100 ~ 116滴ほどになります。各ローラーに1滴ずつ垂らした状態でペダルを逆回転させてチェーンを何度か動かし、チェーンルブをチェーン内部に浸透させます。その後、チェーンを乾拭きして余分なチェーンルブを拭き取ります。乾拭きをする理由は、余分なチェーンルブが残っていると汚れの付着の原因となり、チェーンがすぐに汚くなり、頻繁に清掃や注油する必要があるためです。

Di2バッテリーの点検と充電

たとえ使っていないときでも、シマノのロード・グラベル用電動シフトに使用されるDi2バッテリーはゆっくりと放電しています。また、新しい12スピードDi2システムには各シフターにコイン型電池が内蔵されているので、シフティング用メインバッテリーに加えてこちらも点検が必要です。

 

今入っているチェーンリングが何であれ、ライドの前には毎回、フロントディレーラーのシフトボタンを長押しして、メインバッテリーの残量を確認してください。例えば、今大きいほうのチェーンリングに入っている場合は、その大きなチェーンリングにシフトするためのシフトボタンを押してください。そうすることで、ディレーラーの損傷を防ぐことができます。リアディレーラーで点灯しているバッテリー残量表示灯を確認してください。

 

Di2バッテリー残量表示灯

  • 緑の点灯:100% ~ 75%
  • 緑の点滅:75% ~ 50%
  • 赤:50%以下 ― 充電してください!
SHIMANO GRX RX825 Di2 グラベルバイクのリアディレーラー用充電ケーブルを接続 SHIMANO GRX RX825 Di2 グラベルバイクのリアディレーラー用充電ケーブルを接続 SHIMANO GRX RX825 Di2 グラベルバイクのリアディレーラー用充電ケーブルを接続

メインDi2バッテリーの充電を行うには、充電ケーブルをリアディレーラーと電源に接続します。充電されませんか?そんな時は、同梱のDi2工具(EW-SD300)を使用して、Di2ワイヤーの接続を確認しましょう。または、シーズン前に新しいバッテリーへの交換を検討してください。バッテリーを交換するときは、使用済みのコイン型バッテリーや充電式リチウムイオンDi2バッテリーは、適切なリサイクルボックスに入れて正しく廃棄するか、リサイクルセンターに持ち込んでください。

シフターバッテリーの点検 

12スピードDi2シフターにはそれぞれコイン型電池が内蔵されており、その他のドライブトレインのコンポーネントとワイヤレスにつながっています。Di2システムのコイン型電池の残量をチェックするには、いずれかのレバーにある両方のシフターボタンを同時に0.5秒長押しします。シフターのLEDが点灯し、バッテリ―レベルが表示されます。もう一方のシフターも同様に確認してください。

シフターバッテリー残量表示灯

  • 緑の点灯:100% ~ 11%
  • 赤の点灯:10% ~ 1%
  • 点灯なし: 電池交換してください
SHIMANO GRX RX820 機械式 12スピードグラベル リアディレーラー SHIMANO GRX RX820 機械式 12スピードグラベル リアディレーラー SHIMANO GRX RX820 機械式 12スピードグラベル リアディレーラー

機械式ドライブトレインの点検

GRXやSHIMANO 105の機械式ドライブトレインを搭載した自転車では、キビキビと効率的に変速させるために、ケーブルとハウジングの点検をぜひ行ってください。機械式変速の自転車では、ドライブトレインのコンポーネントはシフターからディレーラーまで通るケーブルによって接続されています。別のギアにシフトするときは、シフトレバーがケーブルを一定量引っ張ったり放したりすることで前後のディレーラーが動き、変速します。シフトケーブルは、ケーブルハウジングの中を通っています。このケーブルハウジングは半屈曲性のチューブで、インナーケーブルの取り回しと保護の役割を担っています。

 

しかし、時間の経過とともにケーブルが少し伸びてくると、路面からの汚れがケーブルハウジングの中に入り込み、シフトパフォーマンスを低下させてしまうことがあります。この春、ライドに出かける前には、自転車が正常に変速するか確認してください。もしシフトが固かったり、反応が遅いと感じた場合は、安定してスムーズに変速するように、自転車のケーブルやハウジングの交換を検討してみてください。

ブレーキシステムの点検

ロードバイクやグラベルバイクの油圧ブレーキは頑丈で高性能ですが、それでも機能を正しく発揮させるためにシーズンの初めに点検すべきコンポーネントがいくつかあります。止まってほしいときに、自転車がきっちりと停止してほしいですよね!ブレーキシステム全般を点検する際には、ブレーキパッドとブレーキフルードに特に注意を払ってください。  

 

ブレーキパッドの残量を目視点検して、新しいパッドと交換すべきタイミングを確認します。ローターと接触する、パッドの盛り上がった部分を確認してください。パッドを固定する金属製のスプリングクランプの先に摩擦材が見えるはずです。摩擦材と金属製スプリングクランプの間に段差がない場合は、パッドを必ず交換してください。  

SHIMANO GRX ディスクブレーキパッドの摩耗点検 SHIMANO GRX ディスクブレーキパッドの摩耗点検 SHIMANO GRX ディスクブレーキパッドの摩耗点検

ブレーキパッドの交換時期を判断するもう一つの目安は、ブレーキをかけるときに金属の擦れるような音がした場合です。これは、摩耗しきって今すぐに交換が必要となっているブレーキパッドからの音です。放っておくとローターを損傷させる恐れがあります。

 

ブレーキホースに摩耗がないか、アウターケーシングがどこかに擦れていないか、確認してください。また、ブレーキキャリパーやレバーの表面やその周りにオイルの付着がないかもチェックしましょう。これらはいずれも、ブレーキシステムを修理・交換する必要があることを示す赤信号です。ホースの交換とブリーディングを検討するか、お近くの販売店に修理を依頼してください。

SHIMANO GRX ドロップバーブレーキのブリーディング SHIMANO GRX ドロップバーブレーキのブリーディング SHIMANO GRX ドロップバーブレーキのブリーディング

自分でスムーズにブレーキのブリーディングができる人は、使い勝手の良いシマノのブリーディングキットを使用して、シーズンごとに1回以上はフルード交換をすることを検討してください。そうすることでキャリパーから出る古いフルードを目視点検することができます。フルードは、透き通ったピンク色であれば正常です。黒ずんでいたり色が濃くなっている場合、フルードが汚れている可能性があります。そのような場合は、ブレーキのブリード手順に従ってフルードを完全に入れ替える必要があります。

 

ブレーキシステムを開けたくない人は、レバーをただ握るだけで、ブレーキフルードの状態を診断する方法があります。ブレーキレバーを引いて、注意深く確認します。スポンジのような感触がありますか?あるいは、ブレーキレバーを引ききってしまいますか?いずれの症状も、ブレーキホース内へのエアまたは異物の混入や、フルード漏れが発生している可能性があります。このような場合には、シマノの使い勝手の良いブリーディングキットを使ってブレーキのブリーディング作業を行うか、お近くのお気に入りの販売店にご相談ください。

 

各ブレーキローターの状態が良好であるか確認します。ローターの変色は、清掃や交換時期のサインです。表面がある程度摩耗することは正常ですが、過度に摩耗すればブレーキ性能を損なう恐れがあります。センターロックのローターでは、適切な工具を使用して、ローターの交換を素早く簡単に行うことができます。更に、このデザインはロックリングのトルクを均等に配分するため、取付けがよりシンプルになります  

ボルト・ベアリングの点検

トルクレンチを使用して自転車の全体を点検し、すべてが正しく仕様通りに締め付けられているか確認します。通常、この値はそれぞれのコンポーネント上にニュートンメートル(N·m)で表記されていますが、シマノのウェブサイトやユーザーマニュアルでも確認することができます。ステアリングとハンドリングを留めている、バーとステムのボルトは、点検で確認すべき最も重要なボルトです。さらに、ディレーラーの取付ボルト、シートクランプボルト、サドル固定ボルトも同じく点検します。適切なトルクで締め付けることで滑りを防ぎ、パーツや固定部品の寿命を延ばすことができます。ボルトの頭部分が摩耗している場合は、頭がなめてしまったり工具が損傷するのを防ぐために、交換を検討してください。

 

自転車のヘッドセット、ボトムブラケット、ハブ、ペダルのベアリングが滑らかに動くかテストを行います。カリカリと音がしたり、通常使用時にガタがありますか?そのような場合は、整備または交換が必要です。ベアリングによっては、分解清掃したり再挿入できるものもありますが、完全に密閉されたものは、交換が必要です。ヘッドセットとスレッドタイプのボトムブラケットには、DIY愛好家にとって非常に使いやすい交換部品があります。プレスフィットタイプのボトムブラケットやハブなど、ベアリングの脱着に特別な工具が必要な場合は、お近くの販売店に問い合わせて整備の相談をしてください。

SHIMANO GRX グラベルバイクでボトムブラケットを点検 SHIMANO GRX グラベルバイクでボトムブラケットを点検 SHIMANO GRX グラベルバイクでボトムブラケットを点検

タイヤ・シーラントの点検と交換

自転車のタイヤに、摩耗や目立った損傷がないか確認します。ラバーに亀裂や過度の摩耗が見られる場合は、シーズンの初めにタイヤを交換することを検討してください。また、トレッドやサイドウォールにできた切り傷からケーシングが見えている場合なども、新しいタイヤを検討するタイミングです。新しいシーズンのライドには、やっぱり新しいラバーが一番です。 

 

タイヤの外観に問題がない場合、チューブレスタイヤではシーラントの状態も確認してください。数か月前に新品であったシーラントであっても、放置すると時間の経過とともにカサカサに乾いて、硬いゴムの塊になってしまいます。タイヤを揺すってみて、液体のうねる音が聞こえるか確認します。もし、音が聞こえない場合は、シーラントがゲル化している可能性が高いです。目視点検を行うために、一方のタイヤビードをリムから外して、タイヤの開口部が6時の位置に来るようにホイールを合わせます。シーラント液が底部に流れてこない場合、タイヤを外して古いシーラント液をすくい取り、新しいシーラント液に交換してください。

グラベルバイクのタイヤシーラントの点検 グラベルバイクのタイヤシーラントの点検 グラベルバイクのタイヤシーラントの点検

シーラントの補充方法には、二通りあります。一つ目の方法としては、タイヤ内に30~60グラム(1 ~ 2オンス)のシーラントを注入できるように、ビードをリムから外します。その後、ビードを再度取り付けて、タイヤに空気を入れます。これは、タイヤから古いシーラントを大量に取り出すには良い方法ですが、デメリットもあります。タイヤビードをリムから外してしまうと、圧縮空気を使ってタイヤビードをリムフックに再度入れなければなりません。エアコンプレッサーやタイヤシートポンプ、あるいは予備のCO2ボンベなどがない場合、これはかなり大変な作業になってしまいます。

 

もう一つの方法としては、タイヤを完全にリムにつけたまま、バルブコアのネジを外してシーラントを追加することもできます(コアを外す前に、必ずタイヤの空気を抜いてください)。30~60グラム(1 ~ 2オンス)のシーラント液を注射器に入れて、バルブステムから慎重に注入します。その後、バルブコアを締めなおして、タイヤに空気を入れます。この方法なら、圧縮空気を使用してチューブレスタイヤのビードをリムに装着し直す必要がないため、より簡単に行うことができます。ただし、この方法の場合は注射器とバルブコアリムーバーが必要になります(どちらも簡単に入手できますが、かなり特殊なツールになります)。

さあ、ライドを楽しみましょう!

自転車の清掃も点検も済ませて準備を整えたら、今年のライディングシーズンを満喫しましょう。良好な状態か確認し、過度な摩耗や損傷があるパーツは交換しましょう。この点検・メンテナンスのリストは長く、大変なものに思えるかもしれませんが、各コンポーネントを入念にチェックすれば、ライドシーズンを乗り切る準備ができた安心感を手に入れることができます。

 

ここに記載された点検の実施中に不明点が出てきたときには、迷わずお近くの販売店に自転車を持ち込み、シーズン前点検を依頼してください。プロフェッショナルが喜んであなたの自転車を安全で最適な状態に調整し、今年のロードでのあらゆる事態に備えてくれるはずです。